2007年05月

2007年05月14日

マイルスの放送が毎週火曜日NHK教育で始まる

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今回は久しぶりにMiles Davis(マイルス・デイビス)について書く。左記の写真かっこいい!!!。
く〜たまらん。写真から音楽が聴こえてくる。

Miles Davisについての放送「私のこだわり人物伝〜マイルス・ディビス 帝王のマジック」がNHK教育テレビで5月から毎週火曜日に始まった。
Milesについて紹介するナビゲーターには、私の大好きな音楽家、文筆家、音楽講師でありクラブ・ファンクジャズバンド「Date Cource Pentagon Royal Garden」(このバンド名長すぎていつまでたっても覚えられない)、通称DCPRGの菊池成孔さんがなっている。

彼のMilesに対する見解が、私とだいたい同じなので私としては大変うれしい限りだ。
菊池さん流の言によれば「Milesに移入する人(わかる感じ)、やられちゃう人(圧倒、崇拝、平服)」がいるそうで、私は菊池さんと同じ移入派だ。この辺のことについては「私のこだわり人物伝〜マイルス・ディビス 帝王のマジック」のテキスト本にくわしく書いています。

彼の本質がお坊ちゃまであり王子様であるつつ帝王であること。それこそディズニーのいつか王子様が60年代前半(Someday My Prince Wiil Come)であり、暗黒の帝王(Prince Of Darkness)でもあるということ。
双子座生まれのMilesはいつも陰陽二つをあわせ持っている。

 他の同年代の東海岸黒人ミュージシャンと違い、西海岸ウェストコーストの白人特有の良さである、エレガントさ、繊細さというCool感を持ちつつ、黒人が持っているグルーブ、ブルース感というHot感というか熱い、熱いヒート感覚、二つを合わせ持っていること。

1950年代から60年代までのあのFrank Sinatra(「マイ・ウェイ~ベスト・オブ・フランク・シナトラ」 「Sinatra at the Sands」 )を研究して演奏したミュート・トランペットのリリシズムとAhmad Jamal(「But Not For Me」 「Poinciana [Live]」 )の影響の受けた間を空け、音符の数を少なくした演奏のかっこよさ。
ちなみにこの時代Milesと同じく影響を受けた人には私の大好きなブラジルのボサノバ音楽の創設者であるAntonio Carlos Jobim(「Wave」「Tom Canta Vinicius: Ao Vivo [Live]」)とJoao Gilberto(「海の奇跡」(「ジョアン・ジルベルト・イン・トーキョー」)がいる。そしてその影響下にいたCaetano Velosoがいる。ちなみに「マエストロ」CaetanoはMilesの大ファンのようでアルバム「Prenda Minha」の曲「Prenda Minha」ではいち早くBossa Novaの先進性をキャッチしたMilesのアルバム「Quiet Nights」でMilesのトランペット演奏をCaetanoは肉声に変えて歌っている。ライナーノーツにも大ファンであることが書かれていた。やっぱり、私の好きなミュージシャンはみんな好みが同じ。へっへっへ。

あの時代には珍しいBill Evans(「Waltz for Debby」「Undercurrent」「You Must Believe in Spring」「I Will Say Goodbye」)、Gil Evans(「Live at Sweet Basil, Vols. 1 & 2」「Live at the Public Theater in New York, Vol. 1 [Live]」)などの白人黒人の混成バンド。敏腕プロデューサーである白人のTeo Maceroなどと組むセンス。演奏が良いかでミュージシャンを選別「優秀であれば肌の色に関係ない」という先進的なコンセプト。

Gill Evansとのコラボレーションによる民族音楽。今で言う「ワールド・ミュージック」をモチーフにした「Sketches Of Spain」「Porgy and Bess」などを生み出すユニークさ。「Sketches Of Spain」でのElvin Jonesによるカスタネッ ト音の効果の絶大さ。あまり話題に乗らないが「Porgy and Bess」での演奏はすごい。Miles自身もインタビューでこのアルバムは1番難しかったと言っている。
Miles関係を中心にしか聴いていなかった私も、このごろ中古LPを買い、すごく聞くようになってきたBlue NoteのHank Mobley(「Roll Call」)、Horace Silver(「Song For My Father」)などを筆頭とするハード・バップのDown To EarthでFunkyなサウンドとMilesミュージックの極端なくらい洗練されモダンなサウンドとの違いを今更ながらに感じる。そして、今現在聴いてもMilesミュージックは古さを感じない。それに反してFunkyハード・バップは、今聴くとすごく時代を感じさせる。時代からまったく離れた音楽性の凄さこそがMilesマジックなのだ。

いつでも評論家やリスナーの誰もが知らない新人を登用し、活用し、お互い刺激し合い、いつのまにか新人の良いところを自分のものとし、尊敬されるカリスマ性。小柄で身長170cmくらいしかないのに、オーラを出していつもステージでは自分を大きく見せる。
音楽だけではなく、時代に敏感に反応しミュージック・スタイルと共にファッションも変えるモダニズム。時代とシンクしリンクする。同期共有観念。

58年、「Milestone」、59年、今でも発売以来毎年20万枚を全世界で売り続けているモード演奏名盤「Kind of Blue」、60年代前半からの「Seven Steps to Heaven 」のころのVAN、Beach Boysのようなボタンダウンや「Four And More」(この演奏を聴くといつも背中がゾクゾクする)、「My Funny Valentine」タキシード、スーツ、70年代「Bitches Brew」「At Fillmore Live East」のころのベルボトムにトンボメガネ、「On The Corner」のころのファーをあしらったゴージャス系の毛皮、皮のベスト、80年代「We Want Miles」のころのカムバックしてからのキャップやおフランススタイルのニットベレーにおしゃれなワーキングパンツ、90年代Michael Jackson(「Thriller」「Bad」)やPrince(「Purple Rain 」「Rave Un2 the Joy Fantastic」)と音楽でも、ファッションでもタメ張った「Star People」「You're Under Arrest」は日本人デザイナー「佐藤孝信 」によるオリエンタル・アバンギャルドスタイル。この変遷はすごいことですよ。ヒュ〜、ヒュ〜。
CDジャケット、雑誌の写真を見れば一目瞭然。音楽の変遷とファッションの変遷が完全リンク。
そういえば日本にもMilesのファッション感覚に影響されているミュージシャンに”ポンタ”村上秀一がいる。

他のJAZZミュージシャンとは違い、いい意味での軽さがMilesにはある。1970年時代からのロックやファンクから影響を受けたエレクトリック・ミュージックへのメインストレート・ジャズからのコペルニクス的転換。このあたりがガチガチの4ビートJAZZファンはお気に召さないようであるが、4ビートJAZZなどというものは私から言わせてもらえば、JAZZスタイルの一つでしかない。
電気音楽、エレクトリック・ミュージックになってからのJAZZについていけない人たちは、ただただスタイルに固執しているだけだと思う。音楽はスタイルではなく中身、コンテンツそのものが大事なだけだ。
リフレインの多い打ち込み音楽のような「Miles In The Sky」、ペダルでワウワウを多用したファンク音楽「On The Corner」などは今聴くとクラブ・ミュージックそのものだ。この時代を超えた先進性がMilesの真骨頂だ。

私などのように60年代洋楽や
●Beatles
「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band 」
「The Beatles (The White Album) 」
●Jimi Hendrix
「Live At Woodstock 」
「Band of Gypsys: Live at Fillmore East 」
の影響をもろに受け「Miles In The Sky」からMilesにのめり込んでいったものとしてはMilesの権化であり私より4歳若い中山康樹さんではないが「今の時代、ウンウンこれだよ、これ。く〜たまらん」と当時思ったものだった。
中山康樹さんも「In A Silent Way」からはまっていったようで、私よりすごく若い菊池成孔さんも同じようMilesがDuke Ellingtonに捧げた「Get Up With It」からのめり込んでいったようで、いずこの人もこの辺について同じようだ。うれしい限り。

これからもMilesくらいミュージッシャンとしてとして、いわゆるバンドマンとして、かっこいい人はもう出ないと思う。ミュージッシャンはいつもかっこ良く、女の子にもてなくては。

なお第二回は5/15、三回は5/22、4回は5/29毎週火曜日10時25分から放送予定です。

ハンチング帽のお坊ちゃま姿「Be Bop」から始まって派手派手、ジャガーパンツ姿でHip HopDJとのJoint「Doo- Bop」まで。「Doo- Bop」のMilesのファッションは盛岡弁で言えば「じゃ〜、じゃじゃ、じゃ、じゃ」状態だ。
いつも、いつもMilesにはマイルス。Miles!Miles!Miles!.

各ミュージシャンとリンクしたCDアルバムはあたしも持っているもので、全てのアルバム皆さんにお薦めできます。どうぞ一度聴いてみてください。
AmazonやTower,HMVなどで購入の際のコツとしては、日本盤より輸入盤の方が非常に安いため輸入盤を買うこと。JAZZの場合、演奏が中心ですので、日本のライナーノーツはなくても関係ありません。20Bitだのゴールド盤だのに惑わされないでください。CDではそのようなデジタル・テクノロジーは、実際にはあまり音質的には大差ありません。また紙ジャケットなどというフェイントにも惑わされないでください。ジャケットがどうしてもかっこいいものは部屋に飾るために物理的に大きなLPをお薦めします。CDは安いのでいっぱい聴くの一番です。アルバム2枚が一緒なった2イン1CDはお得です。輸入盤は安いため、このサイトで紹介した各アルバムリンクはできるだけ輸入盤にしています。エレクトリック時代のMilesはヘッドフォンで大きい音で聴いてみてください。


 ちょっと良いアンプ、スピーカーとLPプレーヤーを持っている場合はLPをお薦めします。LP盤のオリジナル外盤、たとえば「Analog Productions盤」などのような昔のアナログ、アコースティック楽器の音色について知り尽くしているおっさん達が真空管アンプを使用し、熟練のカッティング職人がカッティングしたLPの場合、CDよりガツン、ガツン、ドカン、ドカンとスピーカーからすごいエネルギーの音圧が出てきて迫力があるJAZZ演奏を聴くことができます。エレクトリックスタイルになる前の60年代前半までのMilesアルバムはLPプレーヤーのある方は、できればアナログLPで聴いてほしいのが本音です。
どうしても、大音量ですばらしい音のアナログのMilesを聴きたい方は、オーディオの世界では有名なオーナー菅原さんがやっている一関にあるJAZZ CLUB「ベイシー」に行くことをお薦めします。
すごいの一言です。世界最高の音に調整したオーディオ機器で、世界最高のJAZZマンMilesを聴くことができます。ここで「Four And More」を聴いたときは、背中に電気が走りました。

余談
昨年1月頃にSONYから日本だけ、通販のみで発売されたLP20枚組「Analog Collection」などは実に録音状態が良くてびっくりしています。盤は180gの重量盤でラベル、ジャケットも米国盤と同じ。疑似ステレオ盤はMONO盤に、今までMONO盤しかなかったマスターでステレオが見つかったものはステレオで米国の元のマスターからカッティングしています。しかも、Blue Note国内最後の限定版作成で有名なJVCのカッティングマン小鉄徹さんが担当しているため最高の状態で再生されます。Philey Jo Jones、Jimmy Cobのトップシンバルの音が芯のあるカツン、カツンした音で、John Coltraneのサックスも極太のサウンドになっています。

《中山康樹の購入できるMiles本》

「マイルス・デイビス自叙伝〈1〉」 マイルス デイビス (著), クインシー トループ (著), Miles Davis (原著), Quincy Troup (原著), 中山 康樹 (翻訳)
「マイルス・デイビス自叙伝〈2〉」 マイルス デイビス (著), クインシー トループ (著), Miles Davis (原著), Quincy Troup (原著), 中山 康樹 (翻訳)
「マイルスを聴け-〈Version-7〉」 中山-康樹 (著)
ついにVersion-7はサイコロコミックス状態になってきました。1年おきに改版していますが、MilesのBootleg盤はものすごい量、年間発掘され出ててくるためVersion-8はどうなることやら。
「マイルス・デイヴィス完全入門?ジャズのすべてがここにある」 中山-康樹 (著)
JAZZはMilesバンド関係ミュージシャンのみイモズル式に聴くだけで良いという正論が展開されます。
「マイルス・デイヴィス?ジャズを超えて」 中山-康樹 (著)
「リッスン-ジャズとロックと青春の日々」 中山-康樹 (著)
Milesフリークになり、スイングジャーナル編集長、そしてフリーのレコード会社、JAZZ関係雑誌、評論家など、何にものにもとらわれないMiles評論家になるまでの自伝。
「カインド・オブ・ブルーの真実」 カーン アシュリー; 中山 康樹 (著), 中山 啓子 (翻訳)
「完本-マイルス・デイビス自叙伝(単行本)」 マイルス デイビス (著), クインシー トループ (著), 中山 康樹 (翻訳)

《菊池成孔で購入できる本》

「東京大学のアルバート・アイラー東大ジャズ講義録・キーワード編」 菊池成孔 (著)
なにしろわかりやすい音楽書です。
「東京大学のアルバート・アイラー東大ジャズ講義録・歴史編」  菊池成孔 (著)
「200CD-菊地成孔セレクションロックとフォークのない20世紀」 菊池成孔 (著)
この本は民族音楽やJAZZ、クラッシックだけ。ロックとフォークについてはまったく評論していない珍しいCD音楽評論集です。
「憂鬱と官能を教えた学校」 菊池成孔、大谷 能生 (著)
この本は今まで見たJAZZ理論本の中で私のような素人にもコード、モード、クラッシックからラップ、フリーJAZZなど音楽理論について一番わかりやすく、目から鱗のような音楽理論書です。

《菊池成孔 率いるクラブ・ファンクジャズバンドDate Cource Pentagon Royal GardenのCD》
Milesが演奏した1970代「Live At Fillmore」のあたりの影響がかなり強く出た演奏が多い。
「REPORT FROM IRON MOUNTAIN 」 デートコースペンタゴンロイヤルガーデン
「MUSICAL FROM CHAOS2 [Limited Edition 」 デートコースペンタゴンロイヤルガーデン
「シノ 」 デートコースペンタゴンロイヤルガーデン
「ミュージカル・フロム・カオス 」 デートコースペンタゴンロイヤルガーデン

s_pan at 17:14|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!