2006年02月

2006年02月14日

放送業界に大変革の予感(2)

23b46536.jpg現在の日本式ブロードキャスティング・システムの問題点について述べる。これは、首都圏にキー局があり、各県別、キー局系列ごとに放送されるシステムだ。各民放のCMには、地元の広告代理店に通してしてのCMと首都圏の出先である営業所が電通、博報堂などを通してもらうCMがある。現在、地元のTVCMと首都圏からのTVCM時間枠が変化し、段々首都圏からのCM比率が増加している。この理由として、小泉政権になってから地方と首都圏の経済格差がでてきたため、地方でのTVCMはパチンコ・スロット業界以外はなくなってきているのとは対照的に首都圏からは自動車、損保、生保、サラ金業界などが好調な業績を背景にCMを打っている。
スポットTVCMは時間ごとに価格が変化し、ゴールデンタイムなどでは広告主はかなりの金額を広告代理店に支払わなければならない。このため、広告代理店からするとTVCM広告は仕事として簡単でかなりおいしい商売なわけで、どうしても、面倒なマーチャンダイジング、消費者調査などの仕事をしなくなってきている。
しかし、これからのWeb2.0が定着しつつあるインターネット業界は、この広告代理店が捨ててきている消費者調査、分析などに力を入れつつある。これにより、広告代理店を含めた放送業界は一番これから大切な消費者調査、分析をしないことによるデメリットが出てくるのではないかと考える。
具体的にWeb2.0による消費者調査、分析とはどのようなことかと言うと、定型自由文によるアンケートを分析するテキストマイニング解析手法。Web2.0についてはこのサイトに詳しく書いている。
インターネットアクセスのログをマーケティング分析して、より利用者のアクセスをやりやすくしたり、物販サイトへのアクセスを増やすことによる売り上げ増加を図るアクセス分析手法。
企業側がアクセス利用者、消費者などユーザ参加型情報交換の場を開放したり、発売した商品に関する口こみ情報を書いているBlog同士を相互リンクしたり、そのやり取りのログを取り、データベース化し、商品開発やマーケティングに利用するなど積極的に利用者、消費者の意見情報、集合知を利用することなどである。
放送業界のCMを流す方法は、製造、販売する企業側からの一方的な能動的企業主導型な情報提供に対して、インターネット業界の方法は利用者、消費者の意見情報を企業側が商品開発やマーケティングに利用する受動的でユーザ主導型と対照的なやり方である。
これからの地上波デジタル放送によるデータ放送の時代は、広告代理店、放送局側がインターネット業界のように消費者、視聴者の分析をインターネット業界のような積極的にデータ放送のログを分析する姿勢がほしいのだが。
現在の広告代理店、放送局側の姿勢を見ると、まだまだ簡単で楽な企業からTVCMをもらうだけという姿勢を変えるような気配はない。理由としては、何度も述べるがアナログ的思考、知識しかない保守的待ちの姿勢の経営層、管理職が若いデジタル思考でインターネット知識のある社員に任せてみる度量がないことが上げられる。
ただ、広告代理店、放送局の下で仕事をしているクリエイティブなデザイナー、クリエイター、地方放送局の一部社員の中には、積極的にインターネットWeb2.0の技術を使う人たちが地方でもぼちぼち出てきている。

岩手県Web2.0の事例

IBC岩手放送のインターネット技術担当上路さんが腕によりをかけて全国民放送発のPodcasting、RSSを利用した地方発進による全国の視聴者向けニュース報道「ニュースエコー」
当社も「ニュースエコー」スポンサーです。また、IBCラジオ毎週日曜日午後5時からは「おやじの洋楽黄金時代」放送中。毎月第一日曜日は不肖私も出演。


同じくIBC岩手放送制作の年齢不詳飛んでるおかしなコスプレ主婦、畠山"姫"さゆりが話す花巻地方の方言を使ったおもしろい英会話Jengo de 英語

数十年前から商用BBSソフトFirst Classを使用。盛岡で最初に商用BSSを立ち上げた調子さんが設立したドリームラボ(代表:調子吉之)と上記コスプレ主婦、畠山"姫"さゆりさんが設立したビークリエイティブエーシー(代表:畠山さゆり)が共同製作しているiTune、iPodVideoでも見られるインターネットTV ミット君のキャラクターで有名な岩手めんこいテレビで放送中の「ガチャダラポンTV」ビデオポッドキャスティング「ダラポッド」放送。
ちなみに、ファミリーマートにて当社みっとクン菓子パン好評発売中!!!!。

当社商品に印刷されたQRコードを携帯電話に付いているデジカメで読み取り、パソコンからより簡単で敷き居の低い苦情・意見システムを構築。消費者からの苦情・意見メール情報を大、中、小分類に絞り込み統計整理し、データを商品開発やマーケティングに役立てるためのソフト開発したクチコミネットの銀河通信
当社菓子パンなど新製品にはQRコードが印刷されています。

この会社の営業担当佐々木さんは広告代理店出身で、今のような広告代理店、放送局がクライアントへの安易なTVCM広告だけしかやらない営業活動に限界を感じて転身。かしこい!!。
Web2.0インターネット技術に広告マーケティング手法を加えた新しい企業のホームページ制作。そログを分析、調査しホームページアクセスの改良を繰り返し、インターネットアクセスの改良、ネット商品の販売増進に貢献。
Blog立ち上げを指導、相互リンクを利用し協同物販サイトへの自然な誘導をする手法開発。
また、QRコードにすかしを入れ、目で見てわかるアイコンを利用した二次元バーコード利用技術。

Web2.0の技術Blog,Podcastingなどを駆使して作成した模範になる教科書のようなホームページ畠山"姫"さゆりさんの個人サイト

などが岩手県では出てきている。
この方達の活躍にこれから期待したい。また各民送局の方達のインターネットとの融合についての奮起を望みます。

関連サイト
IBC岩手放送
岩手めんこいテレビ
ドリームラボ
ダラポッド
デザイン二次元コードの銀河通信


s_pan at 12:22|PermalinkComments(3)TrackBack(0)clip!

2006年02月09日

放送業界に大変革の予感(1)

8d706ebe.jpgまず、大変革の予兆の一つにはiTune Music StoreがiTune Storeになることだ。これは、iPod Videoを出し、画像配信にAppleに本格的に参入したためのようだ。これにより米国ではNBCやDisneyなどが参入し始めた。
これについては、大前研一の日経BPサイトの太平の日本の放送業界に黒船が訪れるに詳しく書いている。
これで放送業界は大変革の時代に入ったと思う。その理由として、従来のCM手法がうまくいかなくなってきたことだ。それは、一旦放送を録画し、見たいとこだけ見る、いわゆるザッピングをし、視聴者がCMをスキップするようになるからだ。昔はやった言葉で言えば、オンデマンドということだ。これにより、従来のブロードキャスティング・システムのフレームワークが崩壊するはず。
また、日本製パソコンの流行である家庭用のデスクトップやノートパソコンにチューナーを付けるというマーケティングも崩壊するはずだ。インターネット経由による放送配信というシステムに変更になるからだ。これは重要だと思う。へたすると、地上波デジタル放送も吹っ飛んでしまう可能性を秘めている。現在のチューナー式は、ローカルなシステムであるため、国別に周波数を変更したチューナーを使う必要があるが、インターネット配信だと国(リージョナル)を超え、配信をできるためハードウェアであるチューナーが必要なくなる。また、国を超えるため、日本のキー局、地方放送局どころではなくなる。これは放送のフレームワークを根底から覆すことになるだろう。問題は、著作権と言語、許認可だ。これさえクリアすれば、すごいことになる。著作権については遅ればせながらようやく国も動き出してきた。ただ、今の動きは視聴者を無視し、関係者だけの都合(コピー保護)が優先されているようで、使う側のことを考えていないところが気になるところだ。また、言語については、ニーズがあればおそらく日本側プロバイダ辺りがサービスとして字幕や同時翻訳をするはずだ。こうなったら、日本の東京にある各キー局も対応せざるを得ないようになる。

予兆の二つ目は、地上波デジタル放送の開局による影響だ。これについては、地方局がどのようなサービスを付加することができるかにより、明暗が分かれるはずだ。
現在のキー局の内情としては、かなりの放送コンテンツを外部制作会社に丸投げし、それだけではなく放送局の要である編成権でさえ、一番視聴率の良いゴールデンタイムの一部なども電通や吉本興業などに任せているために、クリエイティブでフレキシブルなコンテンツが作れなくなっているのでないかという危惧さえある。
そもそも、放送業界とインターネット業界、どちらも私から見れば、自分たちの長所、短所が分かっていないフシがある。放送業界の長所としては、すそ野が広く、おじいちゃん、おばーちゃんから子供までが見ているため、すごいボータルではあるが、コアな話題性がないこと。インターネット業界の長所は強力な検索、関連リンク、コアな商品、情報を持っているが意外と狭いポータルであることだ。この長所、短所をよくわかっていないように思う。これらを有機的に融合すればすごいことになるのだが。
融合の具体的な事例やWeb2.0という新しい考えを踏まえてのCM,マーケティングやデジタル放送のデータ放送付加コンテンツについては、次回、「放送業界に大変革の予感(2)」で述べる。
鍵として、広いは狭い、狭いは広い、ローカルはグローバル、グローバルはローカルであるということだ。

現在のところ、放送業界は放送許認可に守られているため、石頭で、保守的でこの融合に乗ってこないのが現状だ。今の最大の問題はハードウェア、ソフトウェア、設備投資的にできないのでなく、米国放送業界とは違い、何も手を打たず、現状に放送業界が満足していることだ。

それにしても、あまりにもアナログで放送業界は考えが古いんだよね。困ったもんだ。

s_pan at 11:36|PermalinkComments(2)TrackBack(0)clip!